浮気調査を依頼しようと考えている方にとって、「探偵はどこまで調べてくれるのか」という疑問は非常に重要です。不倫や浮気が疑われる場合、確実な証拠を得るために探偵を雇うことがありますが、実際にどのような手法で調査が行われ、どこまで詳しく調べられるのかを知ることは、依頼する前に理解しておきたいポイントです。
この記事では、浮気調査において探偵がどこまで調べられるのか、その具体的な方法やプロセスについて、わかりやすく解説します。また、調査結果がどのように使われるのか、依頼者としてどのような点に注意すべきかについても触れます。
浮気調査の基本的な流れ
浮気調査は、通常、以下のステップに沿って行われます。
1 事前相談
浮気調査を依頼する前に、まず探偵事務所との相談を行います。この段階では、依頼者が抱えている状況や相手の行動パターンについて探偵に伝えることが重要です。以下のような情報を提供することが、効果的な調査に役立ちます。
情報提供の例
- 浮気が疑われる日時や場所
- 相手の職業や通勤ルート
- 普段よく行く場所や友人関係
- 最近の行動パターンの変化
これらの情報をもとに、探偵は調査の計画を立てます。調査の日数や内容、使用する機材などがこの段階で決まることが多いです。
調査プランの提案と契約
相談後、探偵事務所から調査プランが提案されます。どのような調査方法を用いるのか、どれくらいの期間が必要なのか、費用がどのくらいかかるのかがこの時点で明示されます。
調査プランに納得したら、正式に契約を結びます。契約書には、調査範囲や料金、追加費用の発生条件などが詳しく記載されているため、しっかりと確認しておくことが大切です。
調査開始
契約後、探偵が実際の調査を開始します。調査は、主に「尾行」と「張り込み」を中心に行われますが、場合によっては最新の技術を活用して証拠を収集することもあります。具体的な手法については後ほど詳しく説明します。
浮気調査で行われる主な調査方法
探偵が浮気調査を行う際に、どのような方法で調査が進められるのかについて詳しく見ていきましょう。
1. 尾行
尾行は浮気調査の基本的な手法の一つで、対象者の行動を追跡して、誰とどこで会っているのかを確認します。探偵は、できるだけ対象者に気づかれないように距離を取りながら追跡しますが、プロフェッショナルな技術を駆使して、対象者の動きや行動を詳細に記録します。
車両尾行
対象者が車を使って移動する場合、探偵も車両を使って尾行を行います。対象者の車に近づきすぎず、また見失わないように適度な距離を保ちながら追跡します。
徒歩尾行
電車やバスなどの公共交通機関を利用する場合や、徒歩で移動する場合、探偵も徒歩で尾行します。特に繁華街や人混みが多い場所では、見失うリスクが高まるため、複数の探偵が協力して尾行することがあります。
尾行の目的は、浮気相手と一緒にいる場面を押さえることです。探偵は写真やビデオカメラを使って、浮気の決定的な証拠を収集します。例えば、ホテルへの出入りや手をつないで歩いている様子などが具体的な証拠となります。
2. 張り込み
張り込みは、対象者が特定の場所に現れるのを待つ調査方法です。例えば、対象者が浮気相手と頻繁に会っているとされる場所や、ホテル、自宅周辺などで張り込みが行われます。
探偵は、車や人の流れを利用して、目立たないように待機し、対象者の行動を観察します。張り込みによって浮気相手との接触や行動を確認し、その様子を撮影することが目的です。
張り込みは時間がかかる場合もありますが、対象者の不審な行動や浮気の証拠を得るためには有効な手段です。
3. GPS追跡
近年では、GPS追跡も浮気調査においてよく利用される手法の一つです。探偵が合法的に使用する場合、依頼者が所有する車両にGPSを設置し、その車の移動をリアルタイムで追跡します。これにより、対象者がどこに行っているのか、どのくらいの時間を過ごしているのかが把握できます。
GPSデータの活用
GPSを使えば、対象者がどの場所で長時間滞在しているかがわかります。例えば、特定の場所に長時間滞在している場合、その場所が浮気相手の家やホテルである可能性が高まります。
ただし、GPS追跡には法律上の制約があるため、対象者の許可なく無断で車両にGPSを取り付けることは違法となる場合もあります。探偵はこの点を十分に理解し、法律に則った形でGPSを使用します。
4. SNSやデジタル情報の調査
現代では、SNSやインターネット上の活動も浮気の証拠を集めるための有力な手段となっています。探偵は、対象者がSNSでどのような行動をしているのかを調べ、浮気相手とのやり取りや、疑わしい投稿を確認します。
① SNSの投稿内容
例えば、対象者がSNSで頻繁に特定の異性とやり取りしていたり、一緒に撮った写真を投稿している場合、それが浮気の証拠となる可能性があります。
② インターネットの検索履歴
探偵は、対象者のインターネット検索履歴や、使用しているウェブサイトの情報も調査することができます。例えば、ホテルの予約履歴や、浮気に関連する検索ワードが見つかることもあります。
5. 聞き込み調査
場合によっては、探偵が対象者の周囲の人々に対して聞き込み調査を行うこともあります。これは、対象者が浮気相手とどのような関係にあるのかを明らかにするための手段です。聞き込みは非常に慎重に行われ、依頼者や対象者に迷惑がかからないよう、またバレないように進められます。
例えば、浮気相手が特定の職場の同僚や友人であると疑われる場合、その人々から情報を収集することがあります。また、周辺の住民やよく行く飲食店の従業員などからも情報が得られることがあります。
浮気調査で得られる証拠
探偵が浮気調査を行った結果、依頼者にはさまざまな形の証拠が提供されます。これらの証拠は、浮気や不倫の事実を確定するために使用されるだけでなく、離婚や慰謝料請求などの法的手続きにおいても重要な役割を果たします。
1. 写真とビデオ
最も一般的な証拠の一つが、写真やビデオです。探偵は、浮気相手と一緒にいるところを撮影した写真やビデオを証拠として提出します。これには、以下のようなシーンが含まれます。
① ホテルへの出入り
浮気や不倫の決定的な証拠として、特に有力です。探偵は、ホテルの入り口や駐車場で張り込みを行い、対象者と浮気相手が一緒に出入りする瞬間を捉えます。
② デートの様子
手をつないで歩いていたり、親密なやり取りをしている様子も証拠として記録されます。レストランやカフェ、公園などでの会話や行動を撮影することが多いです。
③ 車内での接触
車内での親密な様子も証拠になります。探偵は、車の窓越しに撮影したり、駐車場などでの様子を観察したりして、対象者が浮気相手とどのように接触しているのかを記録します。
これらの写真やビデオは、裁判所でも有力な証拠として提出され、浮気の事実を立証するために非常に重要です。
2. GPS追跡データ
GPSによって取得された移動履歴や滞在場所のデータも、浮気の証拠として利用されます。例えば、対象者が頻繁に同じ場所(浮気相手の自宅やホテル)に行っている場合、そのパターンが明らかにされます。このデータは、対象者の行動が不自然であることを示すための補助的な証拠として使われます。
3. メールやメッセージの履歴
浮気相手とのメールやSNS、メッセージアプリでのやり取りも、探偵が調査することがあります。特に、浮気相手との間で親密なやり取りや不貞行為を示唆する内容が含まれている場合、それが浮気の証拠となります。
ただし、これらのデジタル証拠を収集するには、合法的な方法で情報を得る必要があります。違法にアクセスしたデータは、裁判で証拠として認められないだけでなく、依頼者自身が法的トラブルに巻き込まれる可能性もあります。探偵事務所は、この点を十分に考慮し、合法的な範囲内で調査を進めます。
4. 証言や聞き取り調査の記録
探偵が行った聞き込み調査の結果も、浮気の証拠として使用されることがあります。例えば、浮気相手との接触が確認された目撃証言や、特定の時間帯に何度も一緒にいたという証言が集まれば、それも証拠となります。
このような証言は、特に浮気が公然の秘密となっている場合や、職場での関係が疑われている場合に有力です。
浮気調査で得た証拠の使い道
浮気調査で得られた証拠は、主に以下のような状況で役立ちます。
1. 離婚の際の証拠として
浮気や不倫が発覚した場合、離婚を検討する人も多いです。日本の法律では、浮気(不貞行為)は離婚の正当な理由の一つとされており、探偵が提供する証拠は、裁判において浮気の事実を証明するために使用されます。
① 有責配偶者となる可能性
浮気をした側(有責配偶者)は、離婚の際に不利な立場に置かれる可能性があります。慰謝料の支払いや、財産分与の際に不利な条件を受けることが多いため、浮気の証拠は非常に重要です。
② 親権や養育費にも影響
浮気が発覚すると、離婚後の親権争いにも影響を与えることがあります。不倫が子どもへの影響を考慮し、親権を得る際に不利になる場合があります。
2. 慰謝料請求のための証拠として
浮気や不倫の被害を受けた配偶者は、浮気相手に対しても慰謝料を請求することができます。この際にも、探偵が収集した証拠は重要な役割を果たします。日本の民法では、不貞行為が原因で精神的な苦痛を被った場合、浮気相手に対して損害賠償(慰謝料)を請求できる権利があります。
慰謝料請求の成功率を上げる
浮気相手との関係が明確に証明されている場合、慰謝料請求の成功率は高くなります。探偵が提供する証拠は、裁判において有力な材料となり、裁判所が慰謝料の支払いを命じる際の判断材料となります。
3. 話し合いによる和解のために
証拠が揃った場合、必ずしも裁判に持ち込む必要はありません。多くのケースでは、証拠を提示することで話し合いが進み、和解に至ることもあります。浮気の事実が明らかになれば、相手が非を認め、慰謝料や離婚条件についての話し合いがスムーズに進むことがあります。
この場合、探偵の調査報告書や写真、ビデオなどが交渉材料となり、相手が責任を認めるきっかけとなることが多いです。
浮気調査を依頼する際の注意点
浮気調査を依頼する際には、いくつかの注意点があります。これらを把握しておくことで、無駄なトラブルを避け、効果的な調査を進めることができます。
1. 探偵事務所の選び方
まず、信頼できる探偵事務所を選ぶことが重要です。浮気調査は繊細な問題であり、探偵の技術や信頼性が結果に大きく影響します。探偵事務所を選ぶ際には、以下のポイントに注意しましょう。
① 料金体系の明確さ
探偵の料金は、依頼する内容や調査の難易度によって異なります。初めに料金体系が明確に提示されているか、追加料金が発生する条件が事前に説明されているかを確認することが大切です。
② 実績と信頼性
過去の実績や、口コミ・評価を確認することも重要です。信頼できる探偵事務所であれば、調査の成功率が高く、依頼者に対して適切なサポートを提供してくれるでしょう。
③ 調査報告書の質
最終的に提出される調査報告書の内容がどれほど詳細かも確認しておきましょう。写真やビデオなどの証拠がきちんと揃っているか、法的に使用できる形で報告書が作成されているかが重要です。
2. 調査期間の調整
調査を依頼する際、どのくらいの期間をかけて調査を行うのかも重要なポイントです。浮気の証拠がすぐに見つかる場合もありますが、時間がかかるケースも少なくありません。
① 短期的な調査
対象者が特定の日時や場所で浮気をしていると予想できる場合は、短期間で結果が得られることがあります。この場合、料金も比較的抑えられるでしょう。
② 長期的な調査
対象者の行動が不規則で、浮気のタイミングが掴みにくい場合、調査が長期間にわたることもあります。長期調査では、日々の行動パターンや浮気の兆候を逐一確認していくため、費用が高くなることがあります。
3. 法的な制約
浮気調査を依頼する際には、探偵が行う調査がすべて合法であることを確認することが重要です。違法な手段で得た証拠は、裁判では無効とされるだけでなく、依頼者自身も法的なトラブルに巻き込まれる可能性があります。探偵事務所に調査を依頼する際には、次のような法的な制約について理解しておく必要があります。
① プライバシーの侵害
対象者のプライバシーを侵害するような調査は、たとえ依頼者であっても違法です。例えば、対象者の自宅に無断で侵入したり、許可なく電話の盗聴を行ったりする行為は、プライバシー権の侵害にあたります。違法な手段で得た証拠は、裁判では使用できないだけでなく、依頼者も刑事責任を問われる可能性があります。
② GPS追跡の制限
GPSを使った追跡は便利な手段ですが、日本では他人の車に無断でGPS機器を取り付けることは違法です。依頼者自身が所有する車両であれば問題ないケースが多いですが、相手のプライバシーを侵害しない範囲で使用する必要があります。探偵事務所はこの法律を遵守し、違法な手段を用いないようにしています。
③ 証拠の扱い
得られた証拠が裁判で有効と認められるためには、その証拠が合法的に取得されたものである必要があります。探偵が適切な方法で証拠を収集したかどうかを確認し、違法行為が行われていないことを確かめることが大切です。
4. 依頼者自身の行動に注意
浮気調査を依頼した後、依頼者自身も慎重に行動する必要があります。特に、調査中に対象者に探偵の存在がばれてしまうと、調査が難航するだけでなく、証拠を隠される可能性も高まります。依頼者が以下の点に注意することで、探偵の調査がスムーズに進むようにしましょう。
① 対象者に疑われないようにする
浮気を疑っていることが相手にばれると、相手が警戒して行動を慎重にする可能性があります。調査期間中は、できるだけ普段通りに接し、相手に不信感を抱かせないようにしましょう。
② 急かさない
浮気調査には時間がかかることがありますが、焦って探偵に結果を求めると、調査が十分に行われないことがあります。調査の進捗については探偵から報告を受けつつ、冷静に結果を待つ姿勢が大切です。
③ 証拠が揃うまで動かない
浮気の疑いがあっても、確実な証拠が揃うまでは、離婚や慰謝料請求の話を進めない方が良いです。感情的になって相手を問い詰めたり、証拠をまだ得ていない状態で行動すると、相手が証拠を隠す対策を取るかもしれません。
浮気調査の成功率を高めるために
最後に、浮気調査の成功率を高めるために依頼者ができることについてまとめます。探偵に調査を依頼するだけでなく、依頼者自身が情報を提供することで、調査が効果的に進むことが多いです。
1. 相手の行動パターンを把握する
浮気調査を依頼する際に、対象者の行動パターンについてできるだけ詳しい情報を提供することが重要です。特に以下の点に注意して、事前に情報を集めておきましょう。
① 浮気の疑いが強い時間帯や場所
対象者が怪しい行動を取る時間や、特定の場所に頻繁に出入りしている場合、その情報を探偵に伝えることで調査がスムーズに進みます。
② 浮気相手の可能性がある人物の情報
浮気相手が誰か心当たりがある場合、その人物の名前や職業、連絡先などの情報を探偵に提供することで、早期に証拠が得られることがあります。
2. 対象者の生活リズムを崩さない
対象者が警戒していると、探偵の調査が困難になることがあります。依頼者が対象者の生活リズムを崩さないようにし、普段通りの行動を取らせることが重要です。疑いのある行動が見られたとしても、すぐに問い詰めるのではなく、調査が完了するまで冷静に対応しましょう。
まとめ
浮気調査では、探偵が尾行、張り込み、GPS追跡、SNS調査などを用いて証拠を集めます。得られた証拠は、離婚や慰謝料請求に有効です。調査は時間がかかる場合があり、違法な手段での証拠収集は無効となるため、信頼できる探偵事務所を選ぶことが重要です。依頼者も冷静に行動し、対象者の情報を提供することで調査の成功率を高めることができます
浮気調査は繊細な問題ですが、プロの探偵による調査で得られる確実な証拠は、今後の法的手続きや話し合いを有利に進めるための強力な武器となります。